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大阪高等裁判所 昭和57年(行コ)48号 判決

控訴人 高谷茂樹

被控訴人 葛城税務署長

代理人 田中治

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  当事者の求める判決

(控訴人)

1  原判決を取消す。

2  被控訴人が昭和五二年三月一二日付でした控訴人の昭和四八年分所得税更正処分及び過少申告加算税決定処分を取消す。

3  被控訴人が昭和五二年三月一二日付でした控訴人の昭和四九年分所得税更正処分及び過少申告加算税決定処分を取消す。

4  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

(被控訴人)

主文と同旨。

二  当事者の主張

次に付加するほか、原判決事実摘示と同じであるから、これを引用する(ただし、原判決一二枚目裏七行目の「三〇八七万三七八八円」を「三〇八六万九七二八円」と、同七、八行目の「二四一八万〇八〇一円」を「二四一八万四八六一円」と、同八行目の「二一九四万一七三六円」を「二二二〇万八二六三円」と、一六枚目表一〇行目の「経続」を「継続」と、二〇枚目表七行目の「二二五万七、九二三円」を「二四八万五九六一円」と、二四枚目裏一、二行目の「あるずの」を「あるはずの」と各訂正する)。

(控訴人の当審主張)

1  被控訴人に事前の通知をせずに調査をし、かつ民主商工会弾圧のために調査、本件処分をしたことは、違法である。

2  控訴人の経費はすべて控訴人提出の書証によつて実額により算出できる。被控訴人主張の推計方法には合理性がない。

3  控訴人は、大量の原材料を長期間に亘つて保有して行く資金的余裕はなく、昭和四八、四九年中に購入した原材料計二九八四万八一三七円相当分は、すべて右両年中に製品化して販売したから、右額をすべて右両年中の売上原価として経費に算入すべきである。

(被控訴人の当審主張)

1  控訴人の靴下製造業では、外注が多くなれば売上原価が減少し、売上原価と外注費とは相補う関係にあるから、売上原価と外注費とを切離さずに両者を併せて推計するのが、より合理的である。

原判決事実摘示四(四)2(3)の三つの同業者の平均では、売上原価及び外注費の合計の売上金額に対する比率は昭和四八年六六・二七パーセント、同四九年六七・二五パーセントであるから、控訴人の同比率も同じと推計することができる。

2  仮に、原判決が判示するように、原判決別表7の類似同業者の売上金額の差異が問題であるとすれば、売上金額が最も低い同表同業者番号3の業者を除き、番号1、2の業者の比率の原価率を算出し、これにより控訴人の売上原価、一般経費、外注費を推計するのが相当である。

三  証拠 <略>

理由

一  課税の経過

請求原因(一)ないし(三)のとおり、控訴人の昭和四八年ないし五〇年分の所得税について、確定申告、更正処分と過少申告加算税決定処分がされ、行証不服手続が経由されたことは、当事者間に争いがない。

二  課税の手続

<証拠略>によれば、本件処分前に、葛城税務署の職員は控訴人宅を訪れて所得税の調査のために帳簿等の呈示を求めたが、これを拒否されたこと、右署員は銀行や取引先を調査して控訴人の収入を把握したが、その経費を具体的に明らかにする資料を得ることができなかつたこと、控訴人は架空名義の銀行取引口座を設けて収入の一部をこの口座に預け入れていたことも右調査により判明したことが認められる。

そうすると、被控訴人が控訴人の所得を推計によつて算出し本件処分を行つたことは、止むをえない正当な措置であつたというべきである。

控訴人は、税務調査に際し、事前に納税者に対して調査をする旨を通知し、かつ調査の具体的目的を告げなければならないと主張するが、そのように解すべき法的根拠はない。また、本件調査と処分が民主商工会を弾圧する目的でされたと認めるに足る証拠はないし、後記判断のとおり本件処分が実体的に正当であることからすると、本件処分が右のような不当な目的に出たものではないと推認することができる。

三  控訴人の昭和四八年分の所得

1  控訴人の昭和四八年分の事業所得の売上金額が少なくとも三〇八一万九三八八円であることは、当事者間に争いがない。<証拠略>によれば、控訴人は昭和四八年七月一七日営業用の収支の出入のために用いていた南都銀行高田本町支店の控訴人名義の当座預金口座に、同店以外の場所を支払場所とする額面五万〇三四〇円の約束手形を預け入れ、この手形金は取立てられたことが認められるから、他に立証のない以上、控訴人はこのころ右額の営業収入を得たものと認められる。そして、右額は前記争いのない売上金額の内に含まれていないことは、<証拠略>により明らかであるから、控訴人の昭和四八年における売上金額は合計三〇八六万九七二八円となる。

2  右認定の売上を得るための建物減価償却費、雇人費、支払利子割引料が次のア、イ、ウのとおりであることは当事者間に争いがない。一般経費、外注費については争いがあるが、少なくとも控訴人主張の次のエ、オの額を超えるものでないことは、<証拠略>により明らかである。

ア  建物減価償却費    四万円

イ  雇人費       七〇万四〇〇〇円

ウ  支払利子割引料   四二万八〇七七円

エ  一般経費     三〇三万七三九〇円

(控訴人が「一般経費」として主張する一四四五万五四〇〇円より、外注費、人件費、建物減価償却費、利子割引料を差引いたもの)

オ  外注費     一〇二四万五九三三円

3  控訴人本人尋問の結果(原、当審)によれば、控訴人は原材料の在庫数、金額について棚卸しをしたり、帳簿を作成したりはしていなかつたこと、控訴人は原材料の値上げが見込まれたので、昭和四八年中には同年中に必要な量以上に多量の原材料を購入したことが認められる。ところで、所得税法上経費として収入金額から差引くべき売上原価(原材料)は当年中に使用されたものに対応する金額に限られるところ、その額は右のとおり実額により認定することができないから、推計によつて算出するほかないことになる。

4  原判決事実摘示四(四)2(1)、(2)の事実は控訴人において明らかに争わないから自白したものとみなされる。<証拠略>によれば、同(3)の事実(別表7を含む)を認めることができる。

右によれば、葛城税務署管内に事業所を有する類似同業者で青色申告を行つた三業者のうち、昭和四八年において、売上原価の売上金額中に占める割合(原価率)の最も大きい者の比率は三九・八六九パーセントであり、他の二者は三六・八七七パーセント、二八・二七四パーセントであるから、控訴人の同年における売上原価の売上金額に対する比率も右の最大である三九・八六九パーセントを超えないものと推認することができ、これによれば、控訴人の同年における売上原価は一二三〇万七四五一円を超えないものと認めることができる。

5  右推計の売上原価が低きに失するものでないことは、次の諸点からも明らかである。

前記4認定の同業者の経費の売上金額に対する割合(原判決別表7)は、売上原価、一般経費、外注費ごとにみると、業者によつて相当程度の差異があるが、この三経費をあわせてみると、その売上金額に対する比率は、昭和四八年については、高い業者で八〇・八五パーセント、低い業者で七九・二一パーセント、平均七九・七九パーセントであつて、業者間の差異は少ない。なお、昭和四九年についての同比率平均は七九・五三パーセントであつて、四八年の同比率との差も少ない。そして、前記2エ、オ、4のとおり算出した控訴人の売上原価、一般経費、外注費の合計は二五五九万〇七七四円(以下)であつて、これは売上金額三〇八六万九七二八円の八二・九〇パーセントであるから、右同業者の平均を大きく上廻つている。

また、<証拠略>によれば、統計法にもとづく指定統計のための調査によれば、昭和四八年における奈良県のくつ下製造業における原材料使用額、電力燃料使用額及び委託生産費の合計(二四〇億六二四八万円)の売上額(三八五億九二七七万円)に対する比率は六二・三五パーセントであることが認められる。ところが、前記2オ、4認定の原材料使用額(売上原価)と委託加工費(外注費)だけでも二二五五万三三八四円(以下)であつて、これは売上金額三〇八六万九七二八円の七三・〇六パーセントをも占めていて、前記奈良県くつ下製造業者の平均を大きく上廻つている。

なお、控訴人の靴下製造業の昭和四八年における経費率を、前記4認定の類似同業者又は奈良県下の平均的なくつ下製造業者の平均と大きく異ならせる事情があつたことは、本件全証拠によつても認められない。もつとも、控訴人は昭和四八年中に必要以上の原材料を買入れたことが認められるが、控訴人につき借入利息を実額で算出している以上、右の事実が控訴人の売上原価、一般経費、外注費の比率を変えさせるものとは解されない。

6  そうすると、控訴人の昭和四八年における収入金額は三〇八六万九七二八円であり、経費は前記2、4の計二六七六万四八五一円を超えず、従つて所得は四一〇万四八七七円を超えるということになるから、この額の範囲でされた昭和四八年分の本件更正処分、過少申告加算税決定処分は正当である。

四  控訴人の昭和四九年分の所得

1  控訴人の昭和四九年分の事業所得の売上金額が二四一八万四八六一円であることは、当事者間に争いがない。

2  右売上を得るための建物減価償却費、雇人費が次のア、イのとおりであることは、当事者間に争いがない。その支払利子割引料については、<証拠略>によれば、次のウのとおり認めることができ、この認定を覆すに足る証拠はない。

ア  建物減価償却費  四万円

イ  雇人費     七一万円

ウ  支払利子割引料 四八万六二三〇円

3  控訴人が原材料の在庫数、金額について棚卸しをしたり、帳簿を作つたりはしていなかつたことは前記三3認定のとおりであるから、昭和四九年中に前記四1の売上を得るために使用された原材料の取得価額を実額で認定することはできず、これは推計によつて算出するほかはない。

控訴人は、昭和四八年に一八八五万三九八九円の、同四九年に一〇九九万五一四八円の原材料を購入し、これらは同四九年末までに原材料として使用し終えたと主張するが、右のとおり同四九年末までに同四八、四九年中に購入した原材料のすべてを使用したと認めるに足る証拠はない。仮に、控訴人の主張するとおりであるとすると、昭和四八、四九年あわせての売上原価の売上金額(五五〇五万四五八九円)に対する割合は五四・二一パーセントにも達するのであつて、これは前記三4認定(原判決別表7)の類似同業者の同比率に比して極めて高く、このような高率を占める原材料が必要であつたとは容易に信用することができない。更に、<証拠略>によれば、昭和五〇年分について控訴人が審査請求手続において主張した売上原価(原材料購入額七一七万八五九二円)の主張売上金額(一八八五万〇二一九円)に対する比率(三八・〇八パーセント)は昭和四八、四九年分について控訴人が本訴において主張する同金額の比率(六一・一七パーセント及び四五・四六パーセント)に対してはるかに低いことが認められるところ、このことは昭和四九年末において相当額の原材料在庫があつてそれが同五〇年中に製品化されたことを疑わしめるものである。

4  <証拠略>によれば、控訴人は昭和四九年中に、少なくとも、外注費として五五七万九五四五円、一般経費として二九七万四七三八円の支出をしたことが認められるが、これを超えてどれだけの額が支出されたかは、本件全証拠によつても実額をもつて認定することはできない。<証拠略>には、ほぼ控訴人の主張(六六六万二九三六円)に添う支出の記載があり、控訴人本人尋問の結果(原、当審)には控訴人主張に添う部分があるが、これらは次の諸点を考慮すると、そのまま信用することはできない。

ア  <証拠略>の帳簿には、その支出の記載が月日の順に従つていないもの、支出の月日の記載がないものがあり、帳簿の記載自体に信用性を疑わせるところがある。

イ  経費のうち金額の少額のものを除いては、領収書がある筈であるのにこれらの提出はない。また、支払資金の移動関係も明らかではない。

ウ  控訴人は、更正処分前の調査、更正処分後の異議、審査請求手続において要求があつたのに、右の外注、経費帳などを呈示しなかつたことは、<証拠略>により明らかであり、本訴において<証拠略>ほかの帳簿などを提出したのは、原審において訴提起後三年近く経過して控訴人本人尋問が行われた第一三回口頭弁論期日であつたことは、当裁判所に顕著である。民事訴訟においては証拠について随時提出主義がとられてはいるが、このような経過で提出された帳簿については、調査手続において既に呈示されていたものに比較すると、その信用性が低く評価されるのは止むをえないところである。

エ  控訴人は架空名義の銀行取引口座を設けて、ここにその売上代金の振込みを受けていたことは、控訴人本人尋問の結果及び弁論の全趣旨により明らかである。控訴人は右口座はその妻が控訴人の不知の間に設けたものであると供述するが、到底信用できない。このことは、控訴人において脱税の目的があつたことを疑わせるものである。また、控訴人は昭和四九年分については申告額を上廻る所得があつたことを自認し、昭和五〇年分については更正処分取消の訴を取下げたが、このことは控訴人が過少な申告をしたことを自認したものと推認できる。

オ  控訴人は、所得税確定申告において、昭和四八年所得一四五万円、四九年所得一二〇万円、五〇年所得一二〇万円と申告し(当事者間に争いがない)、異議申立においては、右申告額は正当と主張し(<証拠略>)、審査請求においては、昭和四八年欠損一九六万〇九四九円、四九年所得一〇八万三四五八円、五〇年所得七九万三三六四円と主張し(<証拠略>)、本訴において、当初は所得は申告どおりであると主張したが(訴状)、その後に変更し、最終的には、昭和四八年欠損二四八万五九六一円、四九年所得一六四万一一一八円と主張し、昭和五〇年分の更正処分に対する本件訴えは取下げた。

この点について、控訴人は本訴において最終的に主張している右額は提出の<証拠略>その他の帳簿、書証により認められると主張し、本人尋問においても所得、収入経費関係にその主張のとおりであると述べている。しかし、前記外注、経費帳その他の帳簿(控訴人本人は売上帳もあるという)が、その当時に作成されて存在していたのであれば、所得に関する主張が右のとおり何度にも亘り、しかも大きく変転する筈はないのであつて、このような主張の変転があることは、提出された帳簿(特に<証拠略>)がその当時に作成されたものであることを疑わせるのである。

昭和四八年分については、控訴人の主張、供述によれば、二四八万円余の欠損があつたのに、一二〇万円の所得があつたように申告したというのであるが、約三七〇万円もの差が単に思い違いでされたとは信ずることができないし、納税者がこれ程多額に誤つて所得申告をするとは考えられないところであるから、右のような主張をすること自体その供述全体の信用性を疑わしめるものである。

5  前記四3、4のとおり、売上原価、外注費、一般経費を実額で確定できない以上、これを推計で算定せざるをえないが、当裁判所は右三経費の合計の売上金額に占める比率を、前記三4認定の類似同業者三人の同比率平均の七九・五三パーセントと推計するのが最も合理的と判断する。

右の類似三業者の比率は、経費の個々の項目をとると業者によつてある程度の差異が存する(例えば、売上原価率については約四〇ないし四八パーセント、外注費率については約一八ないし二八パーセント)が、右の売上原価、一般経費、外注費をあわせたものの売上金額に対する比率でみると、七八・〇七パーセントから八一・一九パーセントまでの僅かな差しかないのであつて、このことは売上金額の多少、外注費率の多少に拘らず、右三経費計の比率は平均化していることを示している。そして、控訴人本人尋問の結果(当審)によれば、靴下製造業において、外注先は糸や染料など本来原材料となるものを負担することが認められる。このことからすると、前記認定の同業者の比率は、個々の経費項目ごとではなく、右三経費を合計したものを控訴人に適用するほうがより合理的と解される。

控訴人の昭和四九年分の売上金額二四一八万四八六一円に右の比率七九・五三パーセントを乗ずると、控訴人の同年分の売上原価、一般経費、外注費の合計は一九二三万四二一九円と算出される。

6  右推計の三経費が低きに失するものではないことは、次の点からも明らかである。

<証拠略>によれば、統計法にもとづく指定統計のための調査によれば、昭和四九年における奈良県のくつ下製造業における原材料使用額、電力燃料使用額及び委託生産費の合計の売上額に対する比率は五八・九三パーセント(一企業平均従業者数三・六人)であることが認められる。ところで、右推計の売上原価(原材料使用額)、一般経費、外注費(委託加工費)の合計一九二三万四二一九円から、一般経費として控訴人が主張する額三八三万二八三四円を差引くと一五四〇万一三八五円となるところ、この額だけでも売上金額二四一八万四八六一円の六三・六八パーセントを占めていて、前記奈良県くつ下製造業者の平均を上廻つている。

7  そうすると、控訴人の昭和四九年における収入金額は二四一八万四八六一円、経費は前記2、5の計二〇四七万〇四四九円、従つて所得は三七一万四四一二円ということになるから、この額の範囲でされた昭和四九年分の本件更正処分、過少申告加算税決定処分は正当である。

五  結論

そうすると、本件更正処分、過少申告加算税決定処分の取消を求める控訴人の請求はすべて理由がなく、これを棄却した原判決は結論においては正当であるから、本件控訴を棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 上田次郎 広岡保 井関正裕)

(参考)第一審判決別表七

同業者率の計算

年分

同業者番号

〈1〉

売上(収入)

金額

〈2〉

売上原価

〈3〉

原価率

〈2〉/〈1〉

〈4〉

一般経費

〈5〉

一般経費率

〈4〉/〈1〉

〈6〉

外注費

〈7〉

外注費率

〈6〉/〈1〉

48

1

25,122,418円

10,016,147円

39.869%

4,001,453円

15.927%

5,906,550円

23.511%

2

16,951,589

6,251,387

36.877

2,316,557

13.665

4,859,276

28.665

3

11,469,836

3,243,054

28.274

1,259,097

10.977

4,771,452

41.600

平均

(同業者率)

35.01

13.53

31.26

49

1

34,057,607

14,092,324

41.377

4,543,322

13.340

8,385,981

24.622

2

26,756,778

12,958,034

48.428

2,995,003

11.193

4,937,298

18.452

3

10,961,980

4,455,700

40.646

1,354,736

12.358

3,089,812

28.186

平均

(同業者率)

43.49

12.30

23.76

50

1

27,460,891

8,176,775

29.776

4,808,210

17.509

7,889,551

28.730

2

22,699,105

11,107,084

48.931

2,760,013

12.159

4,233,853

18.652

3

9,046,646

2,858,640

31.598

1,203,671

13.305

3,409,099

37.683

平均

(同業者率)

36.77

14.33

28.36

(注) 平均(同業者率)の算定に当たり小数点第三位の数値を切り上げた

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